なぜ作り直したのか
A 株のポジションは、以前このクオンツ・システムの中で「遊び枠」だった——上限 2 万元、スイング取引を試し、なくなれば終わり。2026 年 8 月、その位置づけを廃止した。資金枠を広げ、参加度も高め、A 株を米国株・日本株と同じ重みで扱う市場にした以上、小さな試行向けの画面では日々の本当の判断を支えられない。そこで、実際の取引日に自分がどう使うかを基準に、パネル全体を一から組み直した。機能を足すためではなく、寄り付き前後の 10 分間に、何を一目で見たいのかという問いに答えるためだ。
ポートフォリオ概要
取得原価、時価総額、含み損益、実現損益、保有数。五つの数字で口座の状態を示す。ポジション上限は進捗バーで描き、上限自体もパネル内で変更できる。変更履歴はすべて残り、規律を記憶に頼らせない。
市場全体レイヤー
CSI 300、CSI 500、ChiNext——取引所の行政区分ではなく、大型・中小型・成長という経済的な次元で分けた。各指数には、年足線(SMA200/250)からの距離、250 日高値からの下落率、60 日レンジ内の位置、出来高分位の四つを表示する。これは水位計であって指令器ではない。表示に徹し、ポジション指示は一切出さない。右上の「AI 市場解説」だけが例外の入口であり、AI 解説レイヤーで扱う。
セクター・レイヤー
新浪の 49 業種分類で、当日の上位 5/下位 5 を一目で確認できる。全表には 5 日/20 日の期間騰落率とローテーション強度を付けた。この二つは日次スナップショットを自前で蓄積して作り、データ不足時は「蓄積中 x/N」と正直に表示し、数値を出さず外挿もしない。更新に失敗した回は、その日の直近の成功スナップショットへ戻し、「HH:MM 時点・今回の更新失敗」と明示する。古いデータは使えても、古いことを隠してはいけない。
経済カレンダー
今後 2 週間の重要度別イベント・ストリーム。データソースの 4 段階を 3 段階へ写し、2〜3 級だけを表示する。フィルターは「中国イベントは 2 級以上+海外イベントは 3 級のみ」。マクロ指標には前回値/予想値/公表値を付け、企業イベントの時刻には「会社発表を基準」と記す。誰にも使われなかった手動イベント登録を置き換えた。使われない機能の最良の行き先は退役だ。
保有カード:二層グリッド
第一層には判断ループだけを置く。現在値、シャンデリア線、線までの距離、初期ストップ、株数、平均取得価額、保有日数、時価、含み損益、構成比、前回/次回決算——十二のマスをシャンデリア線までの距離が短い順に並べ、リスクの近いものを先頭にする。RSI、MACD、出来高比などの背景指標は第二層へ沈め、開いた時だけ見せる。そこには同業ピアの横断比較、財務要約、AI 解説の入口も置く。集中度超過、T+1 で売却不可、未調整株価は警告 chip としてカード上に常駐する。シャンデリア・トレーリングストップはこのシステム唯一の機械的規律で、建玉日を起点とし、平均取得価額の 0.80 倍を絶対下限として各カードに記す。
候補銘柄
観察プール。各銘柄は ST や担保設定など 7 つのハード除外条件を自動で通す。データソースが縮退した時は、「どの日付の情報か、なぜか」を項目ごとに明示する。「今ここで入る」と仮定した初期ストップ参考値(entry−min(3ATR,15%))も示す。ページ冒頭には、その役割を明記した。これは実行ツールであり、銘柄選定器ではない。予測せず、買いシグナルでもない。
保有登録
A 株専用の台帳。移動平均法を採用し、手数料と印紙税を含める。当日買いは自動で T+1 売却不可と表示する。株数入力の矢印は 100 株単位で進み、直接入力は自由。買い登録後は取得対象と保有エリアへ自動で入る。台帳こそがパネルの事実源であり、後から埋める流水記録ではない。
取引可能区分
口座で取引資格を持つ市場区分を、チェックするだけで設定する。無効にした区分も観察プールには追加できるが、カードには「取引資格なし」の表示が常駐する。将来資格を取得したらチェックを入れるだけで表示は消え、コードを一行も変える必要はない。変更はいつもどおり履歴に残る。
AI 解説レイヤー
パネルの客観レイヤーは方向性を厳格にゼロへ保つ。カード、ランキング、並び順のどれも売買を示唆しない。AI 解説エリアだけが唯一の例外で、その代償として四つの枷を置いた。独立した区画、必要時だけの起動、常に「AI の意見・未検証・システム信号ではない」と書く見出し、そして最も重い採点である。各解説の入力スナップショット、出力全文、スタイル、当時価格をすべて保存し、T+5/T+20 で実際の騰落を自動補完する。成績ページはスタイル別に的中率と中立率を集計し、標本が 20 件未満なら結論を出さない。保守/安定/積極の三スタイルは八つの鉄則を共有し、第一条は、損切り規律を破る提案を決してしないこと。事前登録型のバックテストができないものなら、事後監査可能にする。
技術説明
ローカル単体アプリケーションは Flask + PyWebView、保存先は SQLite で、クラウド依存はない。データ側では akshare が複数の公開データソースを束ねる。相場とセクターは新浪、決算予定は巨潮、経済カレンダーは Wallstreetcn のマクロカレンダーから取得する。長期的なレート制限があるソースにはサーキットブレーカーを実装した。失敗時は素早くスキップし、半開状態の探査で自動復帰し、プローブログに蓄積した成功率を復帰判定に使う。すべての縮退を画面で明示し、「古いデータを新しいものとして扱う」経路は存在しない。AI 側では DeepSeek V4-Pro(思考モード)が解説を担当し、Bocha Search がニュース面を担当する。ニュース期間は公開日で厳格に絞り、二つのソースを合わせた一日予算にも上限を置く。工程規律として、データ取得は全体を直列化して並行処理による崩壊を防ぎ、9 系統・計 358 項目の常設回帰テストを持つ。ポジション上限、取引、市場資格、ピアグループ、AI 意見の五種類の変更はすべて記録する。再構築の途中で却下した機能も、公開した機能と同じ重さで残す。事前登録バックテストに通らない戦略はすべてアーカイブし、パラメータ救済はしない。この「戦死者名簿」とパネルそのものは、同じ方法論の表裏である。